今IT業界は空前の人手不足

今IT業界は空前の人手不足状態に陥っています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発行した、「IT人材白書2016」のIT人材の“量”に対する過不足感を従業員規模別に比較したものを見ると、IT人材の量は「大幅に 不足している」と「やや不足している」と回答している企業が従業員数が1,000名以下で9割強、1,001名以上では8 割になっています。またこの人手不足の状況は国内だけでなく海外も同様で、例えば、「INTERNET ACADEMY」の調査によると、2014年度の時点で、アメリカでは40万人ものITエンジニアが不足し、2020年にはなんと100万人の不足に陥ると予想されています。

ITエンジニアの求人倍率の急激な増加

IT業界の人手不足により、ITエンジニアの求人倍率が急激に増加しています。例えば、

転職情報サービスのDODAが2016年1月に発表した2016年1月の転職求人倍率によると、業種別で求人倍率が最も高かったのは「IT/通信」で2.59倍、職種別でも「技術系(IT/通信)」が3.05倍と、IT系が高い求人倍率となっています。また、同業のリクルートキャリアも、2016年1月の転職求人倍率を発表し、職種別ではインターネット専門職(4.85倍)と発表しました。厚生労働省発表の同時期の全職種の平均求人倍率は1.24倍ですので、いかにITエンジニア職が人手不足であるかが分かります。完全な「売り手市場」で、引っ張りだこの状況といえるでしょう。

なぜIT業界は人手不足に陥ったのか?

それではなぜIT業界はここまで人手不足の状況に陥ったのでしょうか?大きな理由としては、2つ考えられます。1つ目は市場規模の拡大です。SNS、スマホアプリなど今日々新しい事業分野が拡大し、それに参入する企業がどんどん増えています。その結果、ITエンジニアを求める会社が大きく増え、ITエンジニアへの需要が急激に高まったのです。2つ目は、ITエンジニアの高齢化、定年化問題です。今まで日本のITを引っ張ってきた団塊世代のITエンジニアが揃って高齢化し、定年を迎えました。IT業界での働き手の人口が着実に減っているのです。

キャリアパスとして見つめてみよう

このように、IT業界は今、空前の人手不足の状況により、喉から手が出るほどITエンジニア人材を欲しがっています。この状況はしばらく続くことでしょう。今までIT業界を就職先として考えていなかった方も、この状況をチャンスと捉え、キャリアパスとして検討してみてはいかがでしょうか?